従業員採用の手続きと保険
個人事業主としての活動が軌道に乗ると、しだいに作業量が代表者ひとりだけでは手に負えない状況になってくる。特定の時期に忙しくなるタイプの事業をしている場合、商品の梱包・発送作業などで作業量が急激に増えるのはよくある例だ。作業量が日常的に多い場合、あるいは作業の急増が予想される場合は、アルバイトを雇うことを検討するとよい。負担が大きいままで事業を続けると、最悪の場合、体調を崩して事業を続けられなくなる可能性がある。影響が小さい場合でも、作業の効率が落ちたり、ミスが起きやすくなることはよくある。一時的であれ、アルバイトを雇うことは事業を順調に進めるためにも有効である。
ただし、アルバイトとはいえ、従業員を雇うと新たな業務が発生する。募集告知と採用面接などの手続きのほか、雇用保険や労災保険の手続きも必要になる。労災保険とは、仕事中または通勤中に事故などがあったときに補償する制度で、ひとりでも従業員を雇ったら加入する義務がある。これらの加入手続きは労働基準監督署で可能で、保険料は業種により異なる。
また、常勤の従業員が5人以上いる場合は、社会保険への加入も義務になる(一部の業種では任意)。従業員への給与では、所得税を源泉徴収して税務署に申告して納税手続きを行う必要もある。このような事務的手続きに加えて、仕事内容や労働時間などの規則を決めることも必要である。
このように、個人事業主の従業員雇用の注意点を把握しておくことが必須である一方、人を雇えば事業の拡大が期待できるメリットは大きい。
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